Eclipse
「爆裂都市」を見ました。喋ることが出来ない兄弟、原子力発電所を作ろうとする団体、住民である浮浪者、バンド、またそれに対抗するバンド、そして奇妙な警察。これらが入り乱れての乱闘、とストーリーはこんな感じです。よく分からないと思う必要はありません、本当にこれだけの内容の薄い映画ですから。
僕がこの映画を見ようと思ったのは、町田町蔵、現在の町田康、が出ているその一点からだけで。サイドカーに座る町蔵はあーあー言うだけの、喋ることが出来ない兄弟の弟役でした。多くの出演者に埋もれることのない、圧倒的な存在感がありました。眼光がすごかった。役柄もおいしかった。
それで映画の感想なんですけれども、今から二十年も前の映画だけに、見ていて気持ち悪いって思うところがたくさんありました。バンドのメンバーは気持ちの悪いメイクをして気持ちの悪いパフォーマンスをしたり。どうしても時代を感じてしまいました。それは感想として言ってはいけないと思いますけれども、本当にごめんなさい。僕はそこにどうしても目をつぶることが出来ませんでした。
ただこの映画の持つエネルギーは相当なものだと思います。乱闘のシーンなんかの目で追うことが出来ないほどの疾走感、それからそれぞれの役者が発する感情の高まり、それらはものすごい迫力でした、まさに爆裂。
どうしても時代を感じてしまうので、人にはお勧めできません。一般には決して受けないと思いますから。僕もどちらかといえば無し。だけど、この映画を最高の映画といってしまう人も分かるような気もします。この映画、リメイクしたら最高に面白い映画になるだろうなあ。
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