■2002/11/01

Suspended In Light

プログラミングもそこそこに切り上げて、買いたいものがあると友人。というわけで繁華街へ行きました。僕は買いたい物は特になかったので付き添いで。その友達が、『アルジャーノンに花束を』、なんてキャラクターに似合わない文庫本を買いたいなんて言うので、僕は薄ら笑いを浮かべながら本屋に行きました。僕の予想に反して本当に購入したのです、レジカウンターに持っていき対価の金銭を払っている姿を見ることができなかったのが残念。ちょっと目を離しているうちに買ってしまっていたから。

それからはレコードショップに行ってラーメン屋に行ってってありふれた一日。


■2002/11/03

Eclipse

「爆裂都市」を見ました。喋ることが出来ない兄弟、原子力発電所を作ろうとする団体、住民である浮浪者、バンド、またそれに対抗するバンド、そして奇妙な警察。これらが入り乱れての乱闘、とストーリーはこんな感じです。よく分からないと思う必要はありません、本当にこれだけの内容の薄い映画ですから。

僕がこの映画を見ようと思ったのは、町田町蔵、現在の町田康、が出ているその一点からだけで。サイドカーに座る町蔵はあーあー言うだけの、喋ることが出来ない兄弟の弟役でした。多くの出演者に埋もれることのない、圧倒的な存在感がありました。眼光がすごかった。役柄もおいしかった。

それで映画の感想なんですけれども、今から二十年も前の映画だけに、見ていて気持ち悪いって思うところがたくさんありました。バンドのメンバーは気持ちの悪いメイクをして気持ちの悪いパフォーマンスをしたり。どうしても時代を感じてしまいました。それは感想として言ってはいけないと思いますけれども、本当にごめんなさい。僕はそこにどうしても目をつぶることが出来ませんでした。

ただこの映画の持つエネルギーは相当なものだと思います。乱闘のシーンなんかの目で追うことが出来ないほどの疾走感、それからそれぞれの役者が発する感情の高まり、それらはものすごい迫力でした、まさに爆裂。

どうしても時代を感じてしまうので、人にはお勧めできません。一般には決して受けないと思いますから。僕もどちらかといえば無し。だけど、この映画を最高の映画といってしまう人も分かるような気もします。この映画、リメイクしたら最高に面白い映画になるだろうなあ。


■2002/11/04

Sheep

気分を変えようと、昨日は布団をベランダに敷いて寝てみました。太陽が昇って目が覚めると、ひどく冷え込んでました。布団を頭から被ってても、すごい寒さです。もう冬なんだなあ、なんてベランダに布団を敷く訳がない、朝起きたらガラス戸が全開だったのでした。昨日は就寝前に風呂に入ったからガラス戸を開けたまま寝てしまったよう。

というような文章を布団から這い出る前に考えてしまいました、それほど強烈な寒さになってきたという証拠でしょう。頭が凍っていたようです。


■2002/11/08

Red

プロ野球珍プレー好プレーというテレビ番組がありまして、今日も放映されていました。僕はこのテレビ番組を見るたびいつも思うことがありまして、それは好プレーをもっと多く見たいということなのです。編集の按配が良いというのもあるかもしれませんけれども、プロ野球選手達の好プレーの映像を続けざまに見せつけられると、なぜかすごく誇らしい気持ちになるのです。それと今年も野球シーズンが終わったのだなあとも。そのような理由から好プレーの映像をもっと見たいという欲求に結びつくのは至極真っ当な感情。

だけれども今日、この番組を見まして好プレーは短くすっきりと見せることで好プレーがより良く感じるようになるのかもしれないと思ったのです。それともそれは考え過ぎなだけで単純に他人が成功するよりも失敗するのを見るほうが楽しいからなのでしょうか。


■2002/11/09

Somewhat Damaged

「PARTY7」を見ました。永瀬正敏、浅野忠信などの豪華な俳優で固められた邦画でございます。大金を持ち逃げした主人公が人知れないホテルの一室に逃げ込み、そのホテルの一室に個性豊かな人達が訪れるというようなストーリー。そのストーリーが同監督の「鮫肌男と桃尻女」の焼き直しのようで楽しむことができなかったというようなレビューをインターネットで見ましたけれど、僕は「鮫肌男と桃尻女」を未見なので、純粋に楽しめそうということで見てみようと思いまして。

オープニングはシュールな場面から続いて、アニメーションを使ったそれぞれ役柄の紹介。この時点では、相当楽しめそうと思ったのです。だけれども、それからはホテルの一室とその部屋を覗くことのできるもうひとつの部屋でシュールな会話、起伏のないストーリーが進んでいくだけで。最初は楽しく見れましたけれども一時間もこのような映像を見せられても退屈なだけ。シュールなのは大好きなんですけれども、映画なんですからそれだけではとても見ていることができませんでした。なんとか我慢して最後まで見ましたけれど、ラストシーンもなんとも感じませんでしたし。ひとつひとつのシーンだけを見れば、十分楽しめるのに。すごく勿体無い映画。

悪いところだけを挙げるのも、あれなので良いと思ったところを。テレビで久しく見なくなっていた堀部圭亮が役者として出演していまして、大変良かったです。芸人としては好きではありませんでしたけれども、役者としてかなり好きになりました。それと大杉漣。やはり彼を見ると少し笑顔になってしまいます。


■2002/11/10

Even Deeper

退屈だったので、退屈な映画だと分かっているのにも関わらず、「PARTY7」を再び見たのです。退屈を紛らわすために退屈なことをしたのです。

それで映画なのですけれども思っている以上に楽しめました。再見だというのに堀部圭亮が現れてからのホテルの一室での物語は普通におもしろかった。ただ覗き部屋の浅野忠信と原田芳雄のシーンが退屈なので、その覗き部屋から覗くことのできるホテルの一室でのおもしろいシーンを台無しにして、酷くテンポを悪くしているので、全体的に退屈と思ってしまったのでしょう。


■2002/11/11

New Way New Life

山田という選手が阪神タイガースを去るようです。小さい時に父親に甲子園に連れて行ってもらった時の事。その当時は山田が正捕手をしていたと思うのですけれども、その試合で彼が満塁本塁打を打ったのです。彼はあまり目立つようなタイプではありませんでしたけれど、僕の中では心に強く刻まれた選手でした。そのような選手が大好きな球団から去ってしまうのは、寂しい。

伊達という選手が阪神タイガースを去るようです。最近は中継ぎとして起用されていました投手です。思いっきり投げるその姿に、何度か魅了されたこともありました。そのような選手が大好きな球団から去ってしまうのは、少し寂しい。

坪井という選手が阪神タイガースを去るようです。新人王を獲得して、しばらくチーム内では花形の選手でした、最近は思うような活躍が出来ていなかったようですけれど。だけれども僕にとっては、新人王を取ったなかなか活躍した選手としてしか印象がないのです。記録に残り記憶に残らない選手というのでしょうか。そのような選手でも好きな球団から去ってしまうのは、なんだか心に穴があいたような感じになるのです。


■2002/11/13

Gigolo Aunt

エスカレータに乗りまして、三階の京都行きの電車のホームに到着した時に目に入ってきた光景に、僕は驚きを隠せませんでした。エスカレータを降りてから改札口までの場所に老婆が布団を被って横になっていたのです。だけれどもその非現実的な光景に、誰も見向きもしない。一人の駅員が何も言わずただその老婆を見続けているだけなのです。

最初はどのような感情になれば良いのか分かりませんでした。そこで僕は老婆が駅の改札口前で横になっている理由を考えました。まず僕は、老婆がその場で倒れてしまい動くことができなくなったので駅員の指示で、横になったのだと考えました。もしそうならば老婆を少しでも助けてあげたい。驚いている場合ではない。だけれども回りが特に慌ててもいないし、駅員も近くにいることだし、といってもただぼうと立っているだけれども、僕のできるのことなどないだろうと思いつつ、老婆の横を通り過ぎてしまっていました。

改札口を通って京都行きの電車に乗り込み、空いていた座席に座り老婆が横になっていた理由を再度考えました。まず思い付いたのが持病の腰痛が悪化したので、用意していた布団を被ってその場で横になり休憩していた、というもの。その場合だとなぜ腰痛の老婆が布団など運んでいるのかという問題を解決できそうもないので、却下。それからいろいろと思考を巡らしましたけれども、その不思議な光景を説明できるような案は浮かびませんでした。そこで僕は、あの光景を再び頭の中で再現しました。するとひとつの考えが浮かんだのです。あの光景を見る限り、老婆は明らかに自主的に布団を被っていた。それならば理由なんてありません、老婆は横になりたかったから横になっただけなのです。

それならば、なかなかどうして愉快な出来事だ。老婆がエスカレータに乗って三階に到着、ああ疲れたなどと言って布団を被って横になる映像を思い浮かべると、笑いを堪え切れませんでした、走り出した京都行きの電車の中で。


■2002/11/14

Little League

僕は友人達と真剣な会話を繰り広げていました。それは仕事のことであったり、将来のことであったり。友人達は自分の思うことを頭の中で整理して発言しているので、僕も口から出任せ的な発言はできないと、自分はどのように思っているのかを頭で整理しながら、発言の機会を待っていました。それほど真剣な会話だったのです。

頭の中で思考を巡らしながら、ふと路傍に目をやると、コンクリート車が、コンクリートを回転しながら保存している部分、ロータリーと言うのかしら、を動かしながら停車していました。そこで僕の思考は中断して、興味はコンクリート車へ。もしコンクリート車の運転手が誤ってロータリー部分を動かし過ぎて、ガス欠になってしまい、コンクリート車を動かすことができなくなってしまったなんて状況があったとしたら、おもしろいことだなあ、なんて考えていました。それでそのコンクリート車のことをどうしても言いたくて、長考の後に神妙な顔でそのコンクリート車のことを話し始めて、皆の失笑をかってしまいました。

というような夢を見たのです。僕は目が覚めた時、笑ってしまったのですけれども、恐らく誰もおもしろいとは思わないでしょう。そういえば先日以下のような文章を読みました。

「誰が話してもつまらない話というのが三つあって、それは家族の自慢話、恋人とののろけ話、そして昨日見た夢の話。だけれどもこれらの話に限って話している本人にとってはとても楽しいものなのである。」