Good Morning,Providence
学校帰りの電車に乗りましたところ、アルコールが入っているのでしょうか、座席で横になって寝ている中年がいました。鞄は足元にだらしなく落ちています。電車の中は込んでいて座れない人もいるというのに、中年は何人分もの席を使って横になっているのです。
本を読む振りをしながら、中年の様子を伺っていました。電車の扉が開くたびに、大きな咳をしていまして、僕はこのまま死んでくれたらよいのにと考えていました。しかし彼はいつもそうしているのかどうか、きっちり自分の降りるべき駅だと思われる駅に近づくと、ぱちくりと目を覚まして下車しました。
中年のいなくなった何人分もの席は、すぐに埋まりました。いつもの車内に戻ったと思った矢先、電車が人身事故が起こったか、ぴたりと止まってしまいました。どうやら中年じゃなくて違う人が死んでしまったみたいです。
目的の駅に着きまして、電車の到着が遅れましたことを心よりお詫びいたしますという構内放送を聞きながら、今日が僕の誕生日であったことを噛み締めました。イッツアワンダフルライフ。
|