■2002/12/02

Indefinitely

ついこの前から、村上龍という作家の本を読んでいるのですけれども、この作家の文章は風景描写がきめ細かく書かれていまして、僕はその文体がどうしても好きになれませんでした、僕の好みの文体はちょっと隙間があるくらいが好みなので。ただストーリー自体はすごく引き込まれるので読み続けているのですが、その書き込まれていた風景描写の部分は軽く読み飛ばしていた感は否めなかったのです。

今日も電車で本を読み始めようとしたときにふとあることを思い出しました。少し前にテレビかなにかで見たのですけれども、速読ならぬ遅読、すなわち本をゆっくり読むというムーブメントがある、というようなことです。そこで今日は少し読むペースを落として文章を味わってみようということにしました。

今日読んでいたところは主人公の母親にじわじわ死が近寄ってくるシーンでして、そこの風景描写を味わいながら読んだところ、昨日までよりも感情移入をしてしまったようなのです。母親が死を迎えた時に酷く悲しく感じた。今まで風景描写は作家が思い浮かべる風景であって、読み手にはあまり実感が湧かないものだから軽く読み飛ばしてしまっても良いんじゃないかなんて考えていました、最近本を読み始めたばかりの浅はかな思い込みだったと反省。風景描写は感情移入させることもできると感心しました。少し気づくのに遅れてしまいました、読書の冬。


■2002/12/05

In The Morning

今日は住んでいるマンションが朝から昼まで停電みたいなので、いつもより早めに学校に行こうと思いましていつもより早い時間にアラームをセットしました。

アラームをセットしていた時間通りに起床しまして、少し眠いながらもいつものと変わらない通学の準備をしていました。いつもはだいたい一時間ほどで準備できるのですけれども、眠気に少し負けたのでしょうか、少しばかり時間をオーバーしてしまいました。

それでも予定時間すぐには停電は始まらないだろうと踏んでいまして、その予定時間がちょっと過ぎても大丈夫だったので、電気スタンド、コンポ、ドライヤー、テレビのスイッチを入れまして、さあってところで停電に。その瞬間にはちょっと信じられなくて、ブレーカーが落ちたものだと思いました。でも実際にはブレーカーが落ちているわけもなく。それといつもは家を出る前にトイレに行くのですけれども、気づいたときにはすでに停電。停電だと明かりが無いからってトイレに行けないなんてまったく思ってもみなかった。

電気の無い生活なんて無理だと感じた朝でした。主にパソコンができなくなるのが。


■2002/12/09

Don't Sleep

週末は大人数で鍋をしていました、立食パーティーのような感じで。各自が紙皿を片手に水炊き、味噌鍋、キムチ鍋、すき焼きなどの鍋を渡り歩くといった趣向。僕は買い物をしていて少しばかり遅れて到着したので、肉という肉、海産物という海産物がなくなっていて、基本的に野菜しか食べられませんでしたがそれなりに楽しめました。

その夜は友達の家にお泊りさせて頂いて昼過ぎくらいに帰宅してきて、机の上を見ると図書館で借りていた本。返却期限が今日ということを思い出しまして、家を出ようとアウターを着ようとしていると買い物を頼まれました。買い物リストを見ると、白菜、椎茸、糸蒟蒻、豆腐、春菊。それでその夜も鍋だったのです。


■2002/12/11

Good Morning,Providence

学校帰りの電車に乗りましたところ、アルコールが入っているのでしょうか、座席で横になって寝ている中年がいました。鞄は足元にだらしなく落ちています。電車の中は込んでいて座れない人もいるというのに、中年は何人分もの席を使って横になっているのです。

本を読む振りをしながら、中年の様子を伺っていました。電車の扉が開くたびに、大きな咳をしていまして、僕はこのまま死んでくれたらよいのにと考えていました。しかし彼はいつもそうしているのかどうか、きっちり自分の降りるべき駅だと思われる駅に近づくと、ぱちくりと目を覚まして下車しました。

中年のいなくなった何人分もの席は、すぐに埋まりました。いつもの車内に戻ったと思った矢先、電車が人身事故が起こったか、ぴたりと止まってしまいました。どうやら中年じゃなくて違う人が死んでしまったみたいです。

目的の駅に着きまして、電車の到着が遅れましたことを心よりお詫びいたしますという構内放送を聞きながら、今日が僕の誕生日であったことを噛み締めました。イッツアワンダフルライフ。


■2002/12/13

Afternoon Speaker

学校を休んで友達と買い物。その友達は風邪をひいていたのですけれど、僕がわざわざ学校を休んだなんてメールを送信したら行くしかないだろうということで行ってまいりました。だけれども僕は特に買いたいものなんてなくて、その友達の買い物の付き合いという感じだったので、よくよく考えるとこのやりとりはおかしいと感じました、この日記を書きながら。